—-さて、ここまで、ご住職と吉田さんとの馴れ初めから東京御廟のシステム完成に至るまでのお話を伺ってきましたが、
ここからはお二人のコンピューターとの出会いやコンピューターとともに歩んだ歴史をお伺いしたいと思います。
住職:
コンピューターをお寺に導入しようと思ったきっかけは、やはり私自身が小さい頃からコンピューターに親しんでいたということだと思います。
例えば、私の大学生のころは、ワープロ派・コンピューター派に分かれました。
私は、ワープロを選んだ。「文豪ミニ」というワープロでした。
卒論をワープロで執筆したんです。これは当時、珍しいことでした。
当時は皆、手書きですから、各大学で専用の論文用紙がありました。
だから、ワープロを使うにしても、その規定の用紙のマス目に入らなければいけません。
そこで、色々な業者のワープロのカタログを取り寄せて読んだのですが、どれも合わず、唯一、一社だけが何とか対応できそうだったので、その会社に論文用紙を送って実際に印刷してもらって機種決定したのです。
コンピュータ自体も持っていましたが、ゲームでしか使ったことがない、そんな時代でしたね。
それが、平成4年頃だったでしょうか?
卒論を無事書き終えてお寺に戻った後、パソコンで仕事をしようと思い立ったのです。
最初は、今まで手書きで行っていたお寺のスケジュール管理に「一太郎」というソフトを使っていたのですが、そのうちに「ロータス1−2−3」といった表計算ソフトが登場しました。
これは衝撃的でした。「こんなことがコンピューターでできるんだ!」と。
計算するのにこれほど便利なものはないと思って使っているうちに、今度はデーターベースに出会いました。それが今使っている和製データベースソフトです。
吉田:
ちなみに僕は、欧米派ですね!(苦笑)
―続く―